「理想的」=最適合の評価を受ける法科大学院とは
2008-04-07


法科大学院に対する評価が出そろってきましたね。

不適合となった理由から,どのような法科大学院がよい評価を受ける法科大学院なのかを検討してみましょう。

一橋・北海道など4法科大学院に「不適合」評価YOMIURI ONLINE

法科大学院の評価機関「大学評価・学位授与機構」は27日、大学院9校の評価結果を公表し、一橋、北海道、千葉、香川の国立4校を、教育内容に最低限必要な水準を満たさない部分があるとして「不適合」と認定した。

一橋,千葉といえば新司法試験の合格率の高かった学校ですね。

同機構の評価報告書によると、一橋大は行政法など3科目で、最大80人と定められている一クラス当たりの人数が83〜100人に上り、「少人数で議論しながら授業を行う基本が守られていない」と指摘された。千葉大は、期末試験の成績が悪くて単位を落とした学生を翌年度の再試験で救済する仕組みを設けていたことが問題視された。

全て少人数の双方向授業によって行うのが望ましいんですね。双方向って単純に考えると,教員から学生が学ぶ知識は一方的な講義に比べて2分の1になりますが・・・。

また,1回試験におちたら講義を最初から取り直さなければならないのがよい法科大学院とされるようです。学生の便宜を図っちゃいけないということですね。

北大は法学未修者を想定した3年制コースの入学者選抜で、法律科目を重視した選抜方法を採用していた点、香川大は教員の専門分野と指導科目にずれがある点がそれぞれ不適切とされた。

未修者は3年ポッキリで新司法試験に必要な法律の知識を全て身につけることが前提,と。

慶大法科大学院に改善勧告YOMIURI ONLINE

法科大学院の評価機関「大学基準協会」は24日、慶応大法科大学院の評価結果を公表し、新司法試験で出題担当だった同大教授(辞職)が不正な受験指導をしたことについて「大学院の授業時間が(新司法試験の出題科目に)過度に偏っており、そうした教育姿勢が司法試験問題漏えい疑惑につながったとの見方を否定できない」として改善を勧告した。その上で、評価基準には適合していると結論づけた。

同協会の評価報告書によると、慶応大は新司法試験に出題される法律基本科目で、授業後に「フォローアップタイム」と呼ばれる補習を実施。また若手弁護士を講師とするゼミを設け、新司法試験対策の指導を行っていたといい、報告書は、こうした大学院全体の教育方法が不正の背景にあった可能性を指摘した。

新司法試験出題科目の補習をやらないのがいい法科大学院なんですね。新司法試験対策の指導も行わないのが好ましい,と。

まあ,問題の漏洩を行わないのは当然ですが,司法試験対策のゼミをやることなどが問題漏洩と密接に関連しているとは思いが及びませんでした。

愛大法科大学院「不適合」 日弁連法務研究財団YOMIURI ONLINE

法科大学院の評価機関「日弁連法務研究財団」は26日、大学院7校の評価結果を公表し、このうち愛知大(名古屋市)を「不適合」と判断した。司法試験対策の科目が多く、「法曹養成を目標とした法科大学院制度の目的に違背している」というのがその理由。全国の法科大学院74校のうち、これまでに15校の評価結果が出ているが、最低限必要な水準を満たさない不適合認定は初めてで、文部科学省は今後、愛知大に報告を求めたうえで、必要なら改善を指導する方針。


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